伊豆出張手術

8月16日~21日にかけて、伊豆の出張手術に行ってきました。

一般診療と掛け持ちで、野良猫の過剰繁殖問題にも多大なる貢献をしていただいている先生のもとで、診療の傍ら、計74頭の野良猫に手術を施すことができました!

富士山麓の水と自然がとても豊かな環境の養鱒場(マスの養殖場)での猫の大繁殖・・・

生魚を主食とする野良猫たちは、どの個体も栄養状態が悪く、中年齢を過ぎた個体に関してはほぼ全ての個体で黄色脂肪症(※)を発症していました。また、口腔内の状態が悪い個体が多く、感染症の他、マスの小骨が歯肉に刺さり、激しい炎症を起こしてご飯を食べることができなかった個体においては、極度の削痩と脱水で苦しむ姿がありました。

ケアが必要な子に関しては適切な処置を行い、術後の回復を願うばかりです・・・。

術後の猫たちを連れて捕獲現場にも訪れ、リリースのお手伝いもさせていただきました。

外で暮らす猫たちの環境は過酷です。野良猫は野生動物ではなく、もともとは人間が愛護動物を遺棄し、増えてしまった動物達です。

目を向けなければ誰にも気づかれない命。数が増えて厄介者になってから疎まれる命。もともとは人間が蒔いた種。人間がもう少し賢くなって、共生への歩みを進めていくことができたら、人知れず苦しむ命がどれだけ救われることでしょう。

 

※黄色脂肪症:不飽和脂肪酸の過剰摂取、すなわち生魚の長期摂取によりお腹の中の脂肪が過剰に酸化して黄褐色のセロイドという物質が沈着し、自分の体を異物だと認識して炎症が生じてしまう病気。

 

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伊豆出張手術” に対して2件のコメントがあります。

  1. むっちゃん より:

    過日は鱒猫たちの手術、体調のすぐれない中、お疲れさまでした!
    普段はお付き合いの無い、車で1時間半の場所ですので、事後の管理も尚更大切と考えていますので、このままさようならはあり得ません。

    産まれていた子猫たちの手術にもう一度行くのはもちろん、すでに、事業所の管理者に交渉し、
    黄色脂肪症及び口内炎対策の為、今後はキャットフードを与えていただけるよう手配していただきました。また、今後の繁殖対策の為に、捕獲器の購入をお約束頂き、スタッフの方に捕獲もして頂けるよう取り付けました。
    冬場の心配もありますので、寒くなる前に、倉庫事務所内に猫ハウスも設置予定です。
    自治会では5か所の事業所を含めた「地域猫」も検討されています。

    当会は、猫だけ捕まえても幸せにできないと考え、必ず人間も捕まえています。(こっちの方がずっと大変です。)
    先生にせっかく助けていただいた命、しっかり継続して守れるようにするのが、TNRボランティアの真骨頂!

    本当に本当に、有難うございました!!!

    1. tnr-himeji より:

      動物ノート様

      先日は遠方でのTNR、本当に本当にお疲れ様でした!!
      動物ノート様のご尽力のおかげで、どれほどの猫たちが救われたことでしょう。
      抜け目のないアフターフォローもありがとうございます!!
      おっしゃる通り、「人間を捕まえる」のが、本当に大変なんですよね。それでも、リリースを終えた後の現地の方々の安堵した様子を見て、動物ノート様の意志がきちんと伝わった、この現場はきっと変わっていく、と確信いたしました。

      今回先陣を切って全面的に主導してくださったオリーブの木動物病院の院長・スタッフの皆様をはじめ、捕獲に尽力してくださったボランティアの皆様の温かいサポートを受け、手術を実現することができました。
      皆様におかれましては、まだまだ大変な現場での活動が続くと思いますが、猫のため、そして人間・環境のために、これからの活躍を心よりお祈り申し上げます。

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