本日、雪がちらつく中、ペット霊園に堕胎児達のご供養に行ってまいりました。
野良猫が出産した子猫の生存率は50%以下と言われています。野外環境は過酷で、野良猫のお母さんがどんなに頑張っても、寒さや飢え、天敵や感染症等から幼い命を守ることはできず、苦しみながら死を迎える子猫が後を絶ちません。
堕胎へのご意見は様々ですが、行き場がなく、野外で過酷な最後を迎える子猫を1匹でも減らせるよう、私たちは日々、真摯に命と向き合っています。
よく、「臨月だから手術は無理ですよね?」「もうお腹が大きいから、自然のまま産ませてあげたいのですが・・・。」というご相談をいただきます。
当院では、臨月だからという理由で手術をお断りすることはありません。
母猫の健康も含め、産まれてくる子猫全てに責任が持てないのであれば、産ませるべきではないと考えています。
堕胎手術ですから、もちろん通常の手術と違ってお腹の傷は大きくなりますし、母猫の負担も伴います。当院では、母猫が手術を乗り切れるよう、常に最善を尽くさせていただいております。産まれてくる行き場のない命に途方に暮れることと、母猫に堕胎手術を乗り越えてもらうことを天秤にかけ、最良の選択をしていただければと願っております。
今年は暖冬の影響なのか、早くも発情・妊娠を迎える猫が続々と来院しています。
先日は生後4か月齢で発情を迎えた子が相次ぎ、その中には生後5か月齢の時点で妊娠し、手術時には4週齢となった4匹の胎児を堕胎しました。
←生後4か月齢で発情。
←生後5か月齢で妊娠。4匹の堕胎手術を実施。
猫は生後4か月齢から発情し、5か月齢で妊娠、6か月齢で出産することが可能なのです。
よく「手術は6か月齢を過ぎてからじゃないとできないと思っていた」というお声を耳にします。しかし、6か月齢まで待つことで、この期間に現に妊娠・出産してしまっている子がいるのです!!
手術の安全性の観点からみても、2か月齢~4か月齢で実施する手術の方が、出血が少なく、傷口もほんの数ミリで済み、短時間で麻酔から回復させることができるので、猫ちゃんの負担も圧倒的に少ないのです。
発情ストレスを経験させたくない、予期せぬ出産をさせたくない、乳がん(乳腺腫瘍)や卵巣子宮疾患のリスクを下げたいとお考えの方は、是非、早期(2か月齢~4か月齢)の不妊去勢手術をご検討ください!!