7月30日、神戸新聞に掲載されました☆

少し前の話ですが、昨日、神戸新聞に4月の家島出張時の話題を記事にしていただけました✨

その後、術後の子たちは元気に穏やかに島で暮らしているようです☺

しかしまだ、家島の猫問題は解決したわけでありません。
TNRは、猫にお困りの方々にとってはすぐに人の住環境が劇的に変わる活動ではありません。しかし、短期集中的に効果的に取り組めば、数年の間に着実に猫の数は減っていき、猫による被害も少しずつ緩和していくことでしょう。

猫の「駆除」はできません。
地域に生存する野良猫と、そこに住む地域住民の皆様が気持ちよく共存できる正しいTNRを、そして願わくば、その猫達の存在を地域住民の方々が許容し、皆で「管理」する「地域猫」の誕生を目指し、当院はこれからも家島の方々と関わり、猫達を見守り続けます。

今はとにかく、4月に捕獲できなかった子や離乳前だった子猫達が次の繁殖を繰り返す前のアフターフォローと地域の方々の意識の継続が重要です。

次の出張手術は9月末に決定いたしました!!
猫の繁殖力に負けずに
どんどんどんどん、手術を進めていきましょう!!

 

記事(全文):※神戸新聞NEXTより抜粋

播磨灘に浮かぶ家島本島(兵庫県姫路市家島町)で2、3年前から野良猫が急増している。島には元々多くの野犬がすみついていたが、犬の姿が減った後、今度は猫が増えたという。はっきりとした理由は分からないが、図らずも「猫の島」になったのを受け、海を渡って獣医師やボランティアも加わり、人と猫の共生を目指す取り組みが始まった。

家島の宮港近くの住宅街。日当たりのいい民家の花壇で、10匹ほどの野良猫がかたまって昼寝をしている。数匹の猫が歩いていた細い路地では、アスファルトにふん尿の痕が染み付いていた。「近くの宮浦神社には30匹もいて、宮司さんは朝昼晩と3回もふんの掃除に追われているんですよ」と家島・宮区会の山戸美鈴さん(64)。社殿の鈴緒も猫が跳び付いて壊れ、取り換えたという。

山戸さんによると、かつては野犬が多く、野良猫の数はわずかだった。しかし、保護されるなどして野犬が減った後、猫が急激に増えたという。兵庫県動物愛護センターの担当者は「犬が小動物を襲うこともある。外敵がいなければ、地域の猫は短期間で繁殖し続ける」と説明する。

現在、人口約2千人の家島本島に、少なく見積もっても200匹ほどの野良猫がいるとみられる。

野良猫の増加に歯止めをかける方法として、近年は殺処分でなく、捕獲して不妊去勢手術を行い、元の場所に戻すという取り組みが各地で浸透している。

ただ、周辺の島も含め家島諸島には獣医師がいない。島民の一人が昨秋、猫の不妊去勢手術専門の「スペイクリニック姫路」(姫路市花田町勅旨)の院長、野村芽衣さん(41)に相談した。

野村さんが現地を訪れると、餌が置かれた廃屋に数十匹が集まり、ふん尿にまみれた民家の花壇は悪臭を放っていた。餌をあげる人もいたため、みるみる増えていったようだ。家島の住民は、野良猫の不妊去勢手術費を一部助成する姫路市の制度を使って、野村さんに「出張手術」を実施してもらうことを決めた。

野村さんは4月、病院のスタッフ2人と家島に向かった。手術室は旧幼稚園の建物。ボランティアや住民が仕掛けた捕獲器に入った猫が、軽トラックで続々と運ばれてきた。

3日がかりで110匹を手術。術後の猫は一晩、室内で経過を観察した後、捕らえられた場所に戻した。捕まえられなかったり、生後間もないため手術を見送ったりした猫もおり、野村さんらは秋にも出張手術を行う予定という。

ふん尿や鳴き声など、住民が悩まされてきた問題は残るが、野村さんは「増え続けていた猫も、今後は少しずつ数を減らしていく。長い目で見たとき、きっと人も猫も穏やかに暮らせる環境が実現するはず」と期待する。(森下陽介)

■各地にある「猫の島」

「猫の島」として知られる離島は瀬戸内や九州、沖縄、東北など各地にある。

その一つ、愛媛県の青島では住民5人に対して約100匹の猫が暮らし、あちこちでくつろぐ野良猫目当てに多くの観光客が訪れる。ここで2018年、9割近い猫の不妊去勢手術を担ったのが兵庫県芦屋市の公益財団法人「どうぶつ基金」だ。

「島には基本的に動物病院がない。簡単に不妊手術などができないため、猫の数はどんどん増えてしまう」と同法人の担当者。離島の多くは漁業が主要産業で、ネズミ駆除のため猫が飼育されてきたことも背景にあるという。

青島ではピーク時に200匹以上を数えたが、現在は半分ほどに減少。継続的に猫の世話をするボランティアもおり、観光地へかじを切ったという。しかし人口の多い家島は事情が異なる。

家島本島に住む山戸美鈴さんは「島には積極的に猫の世話をする人も、数が増えて困っている人もいる。互いに満足がいくように問題が解決すれば」と願う。(森下陽介)

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